ロリエロ漫画の歴史
そもそもエロ漫画の歴史を語ろうとすれば、大部の著作をしなければならないでしょう。
人類の知識の発展には、その根底に食欲と性欲という生きる上で欠くべからざる欲求が存在したというのは周知の事実でありますが、たとえば絵画を含めた芸術作品にも同じことが言えます。
男女の破廉恥な絡み合いを絵画で表現した作品は、いわゆる「漫画」という表現形態が生み出される遥か以前から人類史に存在しておりましたし、たとえば日本の江戸時代に世界の最先端芸術として西洋の画家たちにも強い印象を与えた浮世絵にも、「枕絵」「春画」などというエロ漫画に限りなく似た種類のものがありました。いちばん有名なのは、おそらく葛飾北斎が描いた「蛸と海女」という作品でしょう。海女さんが蛸の足に絡み取られ、敏感な部分をいじくられて喘いでいるというかなりセクシーでアブノーマルな作品で、現在のエロ漫画業界でいうところの「触手モノ」のはしりであるといえます。
それから時代が遥かに下がって昭和から平成にかけてエロ漫画は飛躍的な進歩を遂げ、初めは劇画調でオトナの貪欲な性愛を重厚に描いていたのが、1980~1990年代に入るとポップで可愛くかろやかな萌えの絵が登場し、さっそくその可愛らしい絵柄でロリを表現するエロ漫画が増え、こうして現在に続くロリエロ漫画が確立されることになったのです。